精華町でスローライフ 今年も1週間かけてマロングラッセ作り

前回に栗山の事を記事にしたから、その続編という事で

栗山で出来た選りすぐりの栗だけを使って作る「マロングラッセ」の事を書きます。

無類の栗好き(自称)の私は、この数年マロングラッセ作りに熱を上げていて、実験を繰り返し去年ぐらいからやっとそれなりクオリティーのものが出来始め、ちょっとした自慢の逸品になってます。

もちろん、販売はしていないけど我が家に遊びに来られたお客さんの御茶うけとか、お世話になっている方に差し上げたりと、年中を通して重宝する手作りお菓子の一つになっている。

私が思うに、「マロングラッセ」ほど誰もがその名は知っているけど、知っているわりに実際に食べたことがある人は圧倒的に少ないって思うけど、どうでしょう?

それに、最近はデパートの洋菓子屋さんでさえ置いているところが少なくなり、売られているものは砂糖菓子か?と思うようなもので、お値段だけはまぁ、ソコソコお高いけど、それを美味しさに換算するとどうも計算が合わないように思うのは私だけ???

そんなことを思いながらちょっとディスってしまったけど、ソロソロ書いていきます。

「マロングラッセ」って、どんなもの?

簡単に言ってしまえば、栗の砂糖煮の砂糖漬け。

ところが、この栗の砂糖漬けが中々面倒で、大変なんですよ。

だから、レシピはそのお店やその人によって違いが生まれます。つまり、秘伝の製法みたいなものがあったりする。

秘伝というより、コツみたいなものもあるから聞いたり、見たりしただけでは真似できないことがたくさんある。

マロングラッセの材料が栗と砂糖だけでブランデーなどのお酒はお好みで、といった具合でとてもシンプル。

だから、ごまかしの利かないまっすぐなお菓子ってところかな。

因みに、私の場合は栗、砂糖(健康のことを考えていつも普段から愛用している甜菜糖)、そしてブランデーの3素材で仕上げるので、この事を詳しく書いていきます。

「マロングラッセ」私流のレシピ ~今年バーション~

材料

材料は、栗と甜菜糖とブランデー(全て計量しないんですが、、、出来るだけお伝えします)

栗は、大粒のまん丸いカタチのもので、大体1粒皮つきで45g以上の新鮮なモノを80個ほど。

品種は筑波、ポロタン、銀よせ(今年は不作で使ってない)、紫峰、秋峰等の大粒の栗を使ってますが、早生のほうが虫がついていないので栗シーズンが始まったらすぐに確保することをお勧めします。

出来るだけ、新鮮で実がぎっしりと詰まっているもの。

割ってみないと分からないのですが、色つやが良く、持った感じズッシリと思いものを!

砂糖は、グラニュー糖がきっと正当と思うけど、甜菜糖でも問題ないです。(今までずっと甜菜糖しか使ってないけど上手くできてます。)でも、和三盆とか黒糖は向かないと思う。大体2キロほどで足りると思います。

ブランデーはお高いものがお勧めです。風味づけなので、やっぱり値段がはるものが風味が良くって美味しいのはご存知の通りです。

我が家は下戸一家で、、、昔に頂いた高級なブランデーが沢山あり(ナポレオン、レミーマルタン、カミュ―、ヘネシー等)大昔の海外旅行のお土産の頂き物を活用してます。

分量はコレこそお好みですが、私は鼻の奥に香りが充満するくらい風味を楽しみたいのでドバドバっと入れますから一本程度は使います。

ブランデーを使う前は、マラガワインを使ってました。これも風味が良くって甘いので適してます。

もう何年も前にスペインに行った時に買ったけど、飲まないのでそのままホッタラカシにしていたのを思い出して使っていました。

それ以外に栗を一粒づつ包むガーゼとそれを括る紐。白い布の手袋とビニールの手袋、包丁と竹の爪楊枝等を使います。

ガーゼは栗を茶巾状態にして包める大きさ(私の場合は15㎝角)にカットしておきます。

紐は煮豚用やタコ糸のようなものが結びやすく、こちらも15センチほどにカットしておく。

大体こんな感じで準備は完了です。

鬼皮と渋皮を外す

先ず、外側の堅い鬼皮を外しますが、栗の本体に傷がつかないように注意をしてください。

水につけて置いたり、お湯につけて置くと皮が柔らかくなり剥きやすいって色んな情報サイトに載っているから参考になると思います。

次に渋皮を取り除くという、超面倒くさい作業です。

ボールに5~7個ほど渋皮のついている栗を入れ、沸騰させたお湯をたっぷりと注ぎます。

すると、渋皮が外しやすくなります。その時に爪楊枝を使って剥いて行くと上手に剥けます。

この時、栗を持つ左手はやけどしそうにになるので布の手袋にビニールの手袋をしておくといいです。

ゴムの手袋でもいいけど、手にゴムの臭いがつくことと、蒸れて汗で濡れると気持ち悪いので布の手袋はお勧めです。

また、一度に沢山の栗を熱湯につけると、時間が経ったら剥きにくくなるので少量がお勧めです。

私は、もう何回もチャレンジしているので結構早いですが、初めての方は様子を見ながらした方がイイかもしれません。

剥いた栗は乾燥しないように、ボール等に入れてラップしておいてくださいね。

無事剥き終わったら、ガーゼの登場です。

ガーゼで包む

一粒づつ、ガーゼに包みタコ糸などでキュッと絞って結んでいきます。

タコ糸面倒なので、黒をガーゼで巻いて後残った端をキュッと結んでも大丈夫です。(私はこの方法)

栗とガーゼの間に隙間が無いように包み上げることで、煮崩れを防ぐことが出来るのでキッチリ絞って結んでください。これ重要なポイントです。

結び終わったガーゼの余分な部分ははさみなどで切り取っても大丈夫です。

ここまで来たらやっと、火にかけます。

加熱調理の始まり(約1週間~10日)

鍋は出来るだけ大きく、鍋底が厚手のものがイイと思います。

栗を一粒づつ並べたら栗の高さの5倍くらいの水を入れ、砂糖を投入。

私の場合、約100個の栗は2つの鍋に分けてます。

1つはなべ底が28センチで容量5L(A)、もう一つの方は鍋24センチで容量が7.6Lの寸胴(B)。

(A)には30個ほど入れているのでこちらを例にとって紹介します。

この場合砂糖は最初400gほどを入れて火にかけます。

沸騰したらすぐにコトコトに火をゆるめてそのまま1時間、蓋をしたまま炊きっぱなしにします。

ここでののポイントは、グラグラと煮ないことです。

栗はデンプン質なので、強火で煮るとデンプンがバラバラになって煮崩れてしまいます。

多少はガーゼ効果でカバーしますが、栗の調理は火加減が成功を握ってます。

1時間ほど炊いたら火から外し、8時間から12時間放置します。

そして、砂糖を200g~300g程度を数回に分け入れながら加熱と休憩を繰り返します。

水分が少なくなるので、その時は適当に足して行きます。

5日目くらいになったら、ブランデーなどの風味づけ酒を約半分投入して加熱します。

その後も過熱休憩を繰り返し、そして途中で味見をしながら出来上がりを目指します。

出来上がりは自分の好みによると思いますが、和栗の場合は本場のマロングラッセのようにグニュっとした食感にはなりにくいことを考慮して完成として良しです。

もしも、ゴリっとした食感だったら過熱が不足しているので、火力を少し強めて再度煮て下さい。

ガーゼを開けたときに、崩れてわれていたら残念ながら、火力が強すぎという事です。

壊れてしまったら修復は不可能なので、お菓子に使うなどして下さい。

市販品は「壊れマロングラッセ」っていうのが売っているので、そのまま召し上がっても大丈夫と思います。

仕上げ

そして、味見に見事合格したら最後の最後にブランデーを入れてアルコールが飛んでしまう程度に加熱して出来上がりです。

一粒づつ、ガーゼから外して乾燥しないように真空パック機などを使って保存することをお勧めします。

もともと、栗はとても足が速いけど、砂糖を大量に使っているので防腐効果が生まれています。

しかし、どうしても腐食やカビの発生は防ぎきれません。

風味のいいうちに早めにお召し上がりになることをお勧めします。

と言いながら、我が家では1年間保存するのですがそれには特殊な秘密があります。

その方法は、、、

1年間保存する方法

実は、近所の頼れる和菓子屋さん(精華のふたばさん)に駆け込むんです。

前職からのご縁で毎年この時期になると必ず頼ってもっていくと、忙しいにも関わらず気前よく脱酸素剤を個袋に入れてパウチしてくれます。

このように、頼れる和菓子屋さんがあればお願いしてみてはどうですか?洋菓子屋さんでもOKと思いますが、なかなか面倒なことなので、、、。

今年の出来は

結局、今年は栗自体が超不作だったのでマロングラッセの出来上がりは80個ほどになりました。

数量自体はいつもの1/3以下になりました。

味の出来栄えは、残念ながらブランデーの香りは去年のほうが良かったと思います。

原因ははっきりしませんが、第1に投入のタイミングかなと思います。第2はブランデーの種類の違い。

それでも、何とか今年も出来上がったので少しづつ楽しんで頂きたいと思います。

思ったこと

こんなに長ーい時間と手間をかけて作る料理って他にはあまりないように思う。

あー、面倒くさいって言ってしまえばそれまでで、それに超嗜好品だから作らなくっても困らないけど、こんな事に手間と暇をかけて、あ~でもない、こ~でもないって言いながら作るって、本当はとても贅沢なことなんだろうなって。

素材にこだわり、製法にこだわり、協力してくれる人がいて成り立つ私のマロングラッセ。

機会があれば是非皆さんに召し上がって欲しいけど、

それよりは、だれかに作り方などを伝えたいなって思う。

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